ガーデンテラス703号
いつも、つり上がった目で睨むみたいに私を見るホタルとは別人みたいだ。
慌ててまたお皿に視線を落とすと、部屋着のズボンのポケットに入れていたスマホが鳴った。
おかげで、ホタルへの妙な動揺から気が逸れる。
ポケットからスマホを引っ張り出してみると、LINEのメッセージが届いていた。
送ってきたのは元カレの遥斗で、その内容を見た瞬間、私の胸に今度はさっきのとは別の動揺が走った。
『昨日はおつかれ。楽しかった!昨日言ってた合コンだけど、来週の土曜日はどう?』
また連絡するとは言ってたけど……
合コンの話、本気だったんだ。
来週の土曜日は特に予定はない。
だけど遥斗には結婚を決めている相手が既にいて、私は顔も名前もわからない彼の先輩たちを相手に合コンしないといけないんだ。
彼の先輩がどういう人かもわからないし、そもそも合コンみたいな場が苦手だし……
全く気が乗らない。
断りたいけど、断ったら遥斗の会社での立場が悪くなったりするんだろうか。
「急ぎの仕事?」
無言でスマホをじっと睨んでいると、ホタルに話しかけられた。
食べかけのリゾットを忘れて浮かない顔をしている私のことを怪訝に思ったらしい。
私のほうをじっと見ながら、眉間にしわを寄せていた。