ガーデンテラス703号
「え、っと……」
困って苦笑いを浮かべていると、不機嫌そうにソファーに座っていたホタルが私たちに近づいてきた。
「話があってきたんだろ。無駄口叩いてないでとっとと座れよ」
基さんに並んだホタルが、彼を睨むように見ながら親指でクイっとソファーのほうを指す。
ホタルもかなり背が高いけど、基さんも同じくらい背が高い。
それによく見ると何だか……
ふたりを見比べながら考えていると、シホが基さんの背中をトンと軽く押した。
「そうだよ。基ちゃんにはちゃーんと素敵な婚約者がいるんだから。他の女の子を口説いてたら、唯香さんに怒られるよ」
「わかってるよ」
頬を膨らませてソファーに押しやろうとするシホの頭を、基さんがくしゃりと撫でた。
そうして、さっきまでのサービススマイルとは違う悪戯っぽい顔でにこっと笑う。
「やめてよー、髪ぐちゃぐちゃになる」
「いーじゃん」
髪の毛を触りながらむくれるシホの頭をさらにぐしゃぐしゃに掻き回してから基さんがソファーへと向かう。