ガーデンテラス703号


ホタルの言葉で少しおとなしくなってしまったシホを心配して見ていると、誰かのスマホの着信音が鳴った。


「俺じゃない」

ホタルが手元のスマホを確認してから私とシホを見る。


「あたしも違うよ」

そう言われて立ち上がる。

鳴っていたのは、ソファーの前の応接テーブルに置きっぱなしていた私のスマホだった。


誰だろう……

テーブルの上から拾いあげて着信の相手を見た瞬間、ピシッと身体が凍りつく。

電話の相手は遥斗だった。


何の用だろう。

ちょっと考えて思い浮かぶのはあのこと。

たぶん、合コンのことだ。

来週の土曜日に……という誘いを受けてたけど、結局そのまま返事をしていない。

どうしよう。

シホたちには変に思われるかもしれないけど、このまま切れるのを待っていようか。

迷っていると、着信が切れたからほっとした。


「どうしたのー?」

ビールを片手に近寄ってくるシホに、首を傾げてみせる。


「間違い電話、かな?」

ちょっと疑問系でそう答えたとき、また私の手の中でスマホが鳴った。


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