ガーデンテラス703号
着信相手はまた遥斗。
このまま切れるのを待って、また間違い電話にするのは不自然だろうか……
スマホを両手で隠すように握りながら着信音が途切れるのを待っていると、隣にやってきたシホが私の手からスマホを攫っていった。
「また間違い電話?何か怪しくない?」
私からスマホを奪ったシホが、そこに表示されている名前を見て「あっ」と小さく声をあげる。
「遥斗って、あの遥斗?」
「う、うん」
「何?あゆか、遥斗より戻ったの?」
「そうじゃないんだけど……」
そんな会話をしているうちに、また着信音が途切れる。
よかった、切れた。
シホに気付かれないようにほっと息をつく。
「どうして遥斗から電話くるの?あゆか、前にひどいこと言われて別れたって言ってなかったっけ?」
私のスマホを睨むように見ながら、シホが眉を顰める。
「うん、そうなんだけど。最近、そこのコンビニで偶然再会しちゃって……」
「そうなの?全然知らなかった!それで?電話かかってくるってことは、また付き合おうとかそういう話にでもなってるの?」
ちょっと酔っ払っているシホが、いつも以上に興味津々な目で私を見てくる。