ガーデンテラス703号
このまま、眠っているホタルにぎゅっと抱きついてしまいたい。
ふと、そんな欲望が湧いて、彼の胸の上で左右に大きく首を振る。
何考えてるんだろう。
寝込みを襲いたくなるなんて、私、変態みたいだ。
湧き上がる衝動を必死で抑えながら、胸の内に潜んでいた想いに気づく。
私……
ホタルのことが好き、なのかも。
そのとき、それまで私をきつく抱きしめていたホタルの腕の力が緩んだ。
ホタルが窮屈そうに身体を動かしながら、「んー……」と寝ぼけた声を出す。
緩んだ腕からそっと逃れるように身体を起こした私は、眉根を寄せながら小さく唸るホタルを見下ろして、愛おしい気持ちで微笑んだ。
眠っているときのホタルは、とても無防備で、大きな子どもみたいだ。
クスリと笑いながら、どうしても衝動を抑えきれずにその髪に指を差し込んでみる。
私よりもずっと短いホタルの髪を梳くように撫でたとき、彼が小さく唇を動かした。