ガーデンテラス703号
「確かに、今日の夕飯はコンビニ弁当だったよ。だけど私にだって、週末のデートに誘われるくらいいい雰囲気の人もいるんだから!」
「へぇ、そいつも妄想じゃなきゃいいけど」
そう言って、ホタルが口角を引き上げる。
妄想なんかじゃないよ。
一応、さっきコンビニ前で出会った森岡さんに誘われたし。
無言で睨むと、ホタルがますます私を揶揄うように笑う。
バカにされて悔しいのに、悪戯っぽく微笑むホタルの顔は綺麗で。
不覚にも少しドキドキさせられてしまう。
「これ、ごちそうさま」
このままホタルといたら矛盾する自分の気持ちをうまくコントロールできなくなるような気がして、まだ紅茶の残っているカップとソーサーを持つと立ち上がった。
「えー、あゆか。もう飲まないの?」
「うん、寝る」
私はカップとソーサーを軽く洗って片付けると、ダイニングテーブルに座るホタルの横を足早にすり抜けて部屋に向かった。