ガーデンテラス703号
「土曜日は夕方まで仕事なんだけど、日曜日は頼んでもないのに仕事がオフになっちゃって。25歳の誕生日をひとりで家でダラダラ過ごすのもなぁって……」
「遥斗の会社の人との合コンで、いい人いなかったの?香織はあの中のひとりといい感じになってるみたいだけど」
ため息を吐くシホに何気なく訊ねてみる。
すると、シホがしかめっ面で私に振り向いた。
「話して楽しいなって人はいた。でも、ねぇ……」
小さく肩を竦めるシホを見て、彼女の中にまだ居座っているのは基さんなのだなと感じた。
「そういうあゆかは?あの合コンのとき、いい人いなかったの?」
「え?私は別に……」
シホに問い返されて、一瞬森岡さんのことを思い出して気まずくなる。
そういえば、彼からはあのあと全く連絡がないし、私も連絡を入れていない。
森岡さんと食事をして帰ってきた日の夜は、そのあとに起きたホタルとのできごとのことで頭がいっぱいになってしまって。
食事のお礼や先に帰ったことの謝罪をするなんていう気が全く回らなかった。