ガーデンテラス703号
「あゆかが予定空いててよかった。25歳になるのも、ひとりで過ごすのも憂鬱だったけど、誕生日が一気に楽しみになっちゃった」
さっきまでとは打って変わって、俄然やる気が出たように見えるシホを、ゆるく微笑みながら見守る。
できればホタルの店は避けたかったけど、楽しそうにしているシホの気分を害したくないから、私は何も言えない。
「じゃぁ、私はここで降りるね。あゆかも頑張って。日曜日、楽しみにしてる」
シホの勤めている美容院の最寄駅に着くと、彼女がにこにこと笑って手を振りながら先に降りていく。
私は日曜日の予定に少し不安を感じながら、シホに手を振り返した。