ガーデンテラス703号


「同じ年。背が高くて……目つき悪い」

絨毯を叩きながら香織を見上げて無表情で答える私の頭に、ホタルの顔が浮かぶ。


結構かっこよかったけど……

その言葉は香織には伝えず、心の中だけに留める。


それなのに、私のルームシェア先に男が混ざっていたと知った香織のテンションは妙に上がり始めた。


「背、高いんだ?あゆか、背高いほうだし、理想的じゃない」

「理想的って、何が?」


「だって一緒に住むんでしょ?恋に発展する期待大だよ」

「何言ってんの。そんなマンガみたいな話、現実にはそうそう転がってないよ」

呆れ顔で香織を見ながらそう言ったけど、彼女は私の話をまともに聞いちゃいなかった。


「今週末の飲み会、あゆかのこと誘おうと思ってたけど……そういうことなら、他の子誘うね」


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