ガーデンテラス７０３号

「一緒に住むって言ったってプライベートはきっちり分かれてるし、私の女友達もいるからね」

おかしな展開が待っているわけはないし、ホタルとどうこうなるなんてあり得ない。


私を睨むホタルの目つきを思い出して身震いする。

それと同時に、初めて会ったとき彼が上半身裸で濡れた髪と程よく筋肉のついたその身体が綺麗だったことをふと思い出して、頬を火照らせた。


私、何変なこと思い出してるんだ……

ぶんっと左右に頭を振ると、香織がニヤついた顔で私を見ていた。


「進展が少しでもあれば、随時報告してよね。『報連相』はしっかり、だから」

香織がにやけながらまた私の肩を叩く。

だけど香織にいちいち反論するのが次第に面倒になってきて、私は彼女に苦笑いを返した。