ガーデンテラス703号


「これ、どうしたの?シホが用意したの?」

広いダイニングテーブルに用意された、ちょっとしたイタリアンレストランみたいな料理に目を丸くする。


私の知る限り、大学時代のシホはあまり料理が得意なほうではなかった。

バレンタインデーのときはだいたい手作りチョコに失敗して既製品を購入していたし、一人暮らしの友達の家で集まって鍋パーティなんかをしたときも、シホは食べるの専門だった。

だから用意されている食事をシホが用意したのだとしたら、この数年のあいだの彼女の料理の伸びしろは大きすぎる。

料理を前に目を瞬かせていると、シホが軽く肩を竦めながら笑った。


「まさか。あたしがこんなの作れると思う?」

「思わない」

シホを見ながら正直に首を横に振ると、彼女がからりと笑い声をあげた。


「そうだよね。これね、ホタルが作ったの」

「ホタル?」


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