ガーデンテラス703号
「ごめん、お待たせ」
体制を整えて携帯を持ち直す。
「で、男がなんだって?」
「だから。シホの部屋だと思ってドアの鍵開けたら、知らない男がいたんだってば。彼氏?」
シホが彼氏と住んでるなんて聞いてなかったんだけど……
もしそうなら、文句を言ってやろう。
ひとり、眉を顰める。
「あゆか、今のあたしに彼氏のこと聞かないで。三日前に別れて傷心なんだから。今日の夜、飲みながら話聞いてよ」
なんか言ってることが矛盾してる気がする。
それ以前に話がそれてる。
私はさらに眉を顰めると、口を開いた。
「彼氏じゃないなら誰?私、やっぱり部屋間違えたのかな」