memory
「遊園地。6年振りだ。」
彼女は園内をぐるりと見渡すと、少し目を輝かせる。
良かった。楽しそうだ。
「あっ!私あれ乗ってみたい。」
そう言って彼女が指差したのは、降下角度のエグいジェットコースター。
「げっ。」
マズい。俺は絶叫系はあまり得意ではない。
彼女はキラキラした目でジェットコースターを見つめる。
仕方がない。俺がひと肌ぬぐか。
「いいよ。空井さんが乗りたいのに乗ろう。」
ここで乗らなきゃ男じゃない!