プリンセス☆ロード




「この町は、悪魔に襲われたことがあるんですか?」






ソウシのその問いに、リクは静かにうなずいた。
だから、みんな外に出ないの?







「少し前、悪魔が町を襲ったんだ。それで、町の女の人がたくさん浚われて…。言うこと聞かないとその女の人たちを殺すって…」

「その中に、リクくんのお母さんも?」

「うん…。母ちゃんが殺されたらどうしよう!」






酷い…。
大切な人を人質に取っていうことを聞かせるなんて。







 
「なにをしろと命じられたんです?」

「…この町に来る旅の者を殺せって」

「殺せ?そんな…」

「本当は、俺たちが手を下す手筈じゃなかったんだ!ただ一か所に集めればいいって…。でも、突然俺に襲えって、じゃないと母ちゃんを殺すって…」

「あの宿の事ですね。店主は悪魔に脅されていたんですね」





町全体が人質を盾に脅されている。
だから、誰も私たちの声かけに反応しなかったし、怯えていたんだ。
宿で死ぬはずだった私たちが生きているということは、計画が失敗したということ。
それは、大切な人の死を意味すると連想してしまったから。








「許せない。そんなやり方でみんなを苦しめるなんて…」

「確かに、最低だな!その悪魔、俺たちが退治してやるからな!」

「…!本当に!?」

「当たり前だろ!人に危害を加える悪魔を許しておけねぇし!」





ミナトが苛立ちを露わにしながらリクに訴える。
そうだ。
皆で、助けに行こう。






「悪魔の目的も知りたいしな」

「そうですね。僕たちを何の一行だか知っていたうえで襲っていたのだとしたら…、なにか悪魔の動きもわかるかもしれませんしね」








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