プリンセス☆ロード
「おい、リク。その悪魔がどこからきているかわかるか?」
レンがリクくんに尋ねる。
そうだ。
きっと、どこかに悪魔の住処があるはず。
そこにリクくんのお母さんも監禁されているのかもしれない。
「…わからない。けど、いつも森の奥からきてるみたい」
「この森のどこかに悪魔の住処があるんですかね」
「そうだなー。この森つっても、結構広いぞ?しらみつぶしに探しても埒が明かないな」
リュウの言うとおりだ。
やみくもに探してもただ時間が過ぎるだけ。
多少の的を絞っていかないと。
「この森は、誰も近づかないのか?」
「キノコとか取りに行ったりするくらい…。でも、西の方はなぜかキノコが生えないから誰も入ることないかな…」
「キノコの生えない場所。調べてみる価値はありそうですね」
私たちはその誰も立ち入らない場所へと向かった。
その場所の近くまでリクくんに案内してもらって、そこでリクくんとは別れた。
必ず助け出して戻ってくると約束して…。
こんな小さな子供からお母さんを取り上げるなんて許せない。
絶対に助け出さなきゃ!
「おい、お前もここに残っていいんだぞ」
「え?」
「この先は、きっと戦いになる。お前がついてきても危険なだけだ」
いざ進もうという時にレンがそう言う。
それはきっと、足手まといだから、という理由ではなく単純に私の身を心配してだってことになんとなくだけど気づいた。
不器用なレン。
そう思ってきくと、不思議とわかってくる。
「大丈夫。私も、何かの役に立ちたい。待ってるなんていや」
「…そうか。戦いになるとお前の事を気にかける余裕がなくなるかもしれん」
「それでいい。私だって足手まといになるくらいならその方がいい。私、逃げ足は速いのよ」
「期待しておく」
レンはそう言うと歩き出した。