プリンセス☆ロード
「う…」
いつの間にか気を失っていた私は、ゆっくり目を覚ます。
いったいここはどこなんだろう。
私は、どうなったんだろう。
体を起こそうとするけど、後ろ手で縛られているようでうまく身動きが取れない。
そこはどこか室内のようで、想像するにアジトの中だろう。
だったらきっと、みんな来てくれるはず。
「目を覚ましたか」
どすのきいた声が響く。
私は声のする方を恐る恐る見た。
「お前が姫で、間違いはないな?」
「…あんた、悪魔?」
「がははは!そんな質問は、初めてだ。この姿を見て悪魔以外の何に見えるというのだ」
大きな殻の怪物のようなその悪魔は、豪快に笑う。
身体は剛毛で覆われていて、口元だけは肌色が見えている。
“悪魔”という勝手な私のイメージとはかけ離れている姿に思わず出た問い。
悪魔というより化け物だと、思った。
「私をどうする気!?」
「威勢のいい姫だな」
何か言っていないと気が狂いそうだ。
それに、このまま悪魔のいいようにさせたくなんてない。