プリンセス☆ロード
進むにつれ、足場がどんどん悪くなっていった。
木の幹が盛り上がっていて歩きにくい。
「紗南さん、大丈夫ですか?」
「う、うん…」
ソウシが心配して声をかけてくれるのに返事をするので精いっぱい。
私は必死でついて行った。
「ゆっくりでいいので」
「うん。ありがとう…」
そんな足場の悪い道を進んでいくと少し先にぼんやりと建物が見えてきた。
もしかして、あれがアジトだろうか?
「ねぇ、あれ…」
「あ、見えてきましたね」
「やっぱり、あれがアジト?」
「おそらくそうでしょうね」
もっとよく見ようとそっと側にあった木の弦に触れた。
その瞬間、その弦が私の腕に巻きつき吊り上げられていく。
「きゃあっ!」
「紗南さん!」
「紗南ちゃん!?」
「紗南!」
私は一瞬の間にその弦によって連れ去られてしまった。