プリンセス☆ロード
「女が目覚めたと?」
「はい!」
「女はなんと言ってる?」
「いえ、それがまだ・・・」
男の人の話し声が近づいてくる。
さっきの人が誰かを連れて来たのか。
さっきの人はなんだか下っ端っぽいから、もう少し話が分かる人ならいいけど。
「あ、ちょっと!ねぇ!」
格子に張り付いて見ると、鎧は着ていないようだけど、なんだか外国の絵本に出てくる・・・そう、まるでナイトみたいな服装の男の人を連れているのが見えた。
首に回された布は背中でマントになっている様。
ぴっちりしたパンツに足元はブーツで、白いシャツ。
黒髪の無造作に整えられた髪と、目つきは鋭く、左耳にはピアスをした男の人。
うわ、ものすごい手の込んだコスプレ。
「お前か、異様な服を着て倒れていたという女は」
「は?異様な?・・・あなたたちの方が異様ですけど」
「お前は誰だ」
「人に名前きくなら自分も名乗りなさいよ!」
なに、こいつ。
感じ悪い!
偉そうに、なんなのよ!
変って言うならあんたの方が変でしょうが!
イライラとつい怒鳴り返してしまう。