プリンセス☆ロード




「女が目覚めたと?」

「はい!」

「女はなんと言ってる?」

「いえ、それがまだ・・・」





男の人の話し声が近づいてくる。
さっきの人が誰かを連れて来たのか。
さっきの人はなんだか下っ端っぽいから、もう少し話が分かる人ならいいけど。






「あ、ちょっと!ねぇ!」





格子に張り付いて見ると、鎧は着ていないようだけど、なんだか外国の絵本に出てくる・・・そう、まるでナイトみたいな服装の男の人を連れているのが見えた。
首に回された布は背中でマントになっている様。
ぴっちりしたパンツに足元はブーツで、白いシャツ。
黒髪の無造作に整えられた髪と、目つきは鋭く、左耳にはピアスをした男の人。

うわ、ものすごい手の込んだコスプレ。







「お前か、異様な服を着て倒れていたという女は」

「は?異様な?・・・あなたたちの方が異様ですけど」

「お前は誰だ」

「人に名前きくなら自分も名乗りなさいよ!」






なに、こいつ。
感じ悪い!
偉そうに、なんなのよ!
変って言うならあんたの方が変でしょうが!
イライラとつい怒鳴り返してしまう。






< 20 / 469 >

この作品をシェア

pagetop