プリンセス☆ロード
「さっきのネックレスを出せ」
「・・・出せるわけないでしょ。腕縛られてるんだから」
「・・・ちっ」
し、舌打ちした!
この人、舌打ちした!
人を巻き込んでおきながら、舌打ち!?
「レン、その者の縄をほどいてやれ」
「・・・しかし!」
「よい。ほどいてやれ」
やっぱ、歳を重ねている人の方が話が分かる!
あの人に頼んでこの小芝居から抜けさせてもらわないと!
「あ、あの!私、本当に帰りたいんです!友達だって、心配してるだろうし・・・。ネックレスならあげますから、私を帰してください!」
「もちろん、悪いようにはしないし、もうとらえることはないから、安心しなさい」
「王様!簡単にそんな約束など!」
「レン。お前はもう少し、人を見る目を養いなさい。その娘の瞳は嘘はついていない。悪意など、持ち合わせておらんよ」
王様、と呼ばれたその人はそう言うとにっこりと優しく笑った。
レンは少し悔しそうに口をつぐんだ。