プリンセス☆ロード




この仕打ちに文句を言ってやろうと口を開いた瞬間、ギイッと扉の開く音がした。
その音に振り向くと、仰々しく人を連れた少し歳のいった男の人が歩いてくる。
そしてその男の人は私が突き飛ばされた赤いじゅうたんの先の大きな立派な椅子の前に来るとゆっくりと腰を下ろした。




なんだか、漫画とか、映画とかで見たことがあるような、この人が王様です、と言われたら、そうですかって納得してしまうような・・・。
そう、まるで王様みたいな恰好をして、王様みたいな椅子に座る。






いったい、何者?






こんなにも変な人たちに出会ったのなんて、人生で初めて。










「王様、この者が例の女です」

「ふむ、確かに変わったなりをしている」

「はい。不審なため捕えていたら、あるものを所持しているのを発見いたしました」

「あるものとは?」








また始まった小芝居(?)にうんざりしながら、いい加減ツッコむのもばからしくなってやり取りを遠巻きに聞いていた。
楽しくてやっているんだろうか。
誰がシナリオを描いてるんだろう。
いい加減、私を巻き込むのはやめてほしい。
新手のドッキリなの?







「おい、女!」






急に怒鳴られビクッと肩を震わせる。
なんなの?







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