プリンセス☆ロード






「…お前が、傷つく姿なんか、見たくもない。お前の心が傷つく姿を見たくないんだ」

「レン…」

「戦うということは、そういうことだ。何度も言わせるな」








そんなこと、わかってるよ。
悪魔を倒した時、手が震えた。
怖かったし、苦しかった。
それでも、レンを守れたんだって、私にも役に立てたんだって思えた。



自分のいる意味を少しだけ、見えた気がしたの。







「まぁ、もうお前には俺は必要ないんだろうがな」

「え…?」

「この世界に戻れたんだ。もう、姫でいる必要もないだろう」







姫じゃなくなったから。
もう、私は用無し?
もう、レンは私なんて、どうでもいいの?
レンが元の世界に戻れたらもう、おしまい?








「もういいよ…。わかった」

「は?」

「レンなんて、もう知らない。勝手にどこにでも行ったらいい!守ってなんて、くれなくていい!」

「おい!」

「勝手にどこにでも帰っちゃえ!」








私は泣きながらそう言い捨て食堂を飛び出した。







< 277 / 469 >

この作品をシェア

pagetop