プリンセス☆ロード
「…お前が、傷つく姿なんか、見たくもない。お前の心が傷つく姿を見たくないんだ」
「レン…」
「戦うということは、そういうことだ。何度も言わせるな」
そんなこと、わかってるよ。
悪魔を倒した時、手が震えた。
怖かったし、苦しかった。
それでも、レンを守れたんだって、私にも役に立てたんだって思えた。
自分のいる意味を少しだけ、見えた気がしたの。
「まぁ、もうお前には俺は必要ないんだろうがな」
「え…?」
「この世界に戻れたんだ。もう、姫でいる必要もないだろう」
姫じゃなくなったから。
もう、私は用無し?
もう、レンは私なんて、どうでもいいの?
レンが元の世界に戻れたらもう、おしまい?
「もういいよ…。わかった」
「は?」
「レンなんて、もう知らない。勝手にどこにでも行ったらいい!守ってなんて、くれなくていい!」
「おい!」
「勝手にどこにでも帰っちゃえ!」
私は泣きながらそう言い捨て食堂を飛び出した。