Amarosso~深い愛~の作り方♪

「なに?」

「いや。
 美人な麗華さんは、怒っている表情もいいねって」

「今泉の、その精悍な顔にパンチいれてもいい?」

「それは勘弁だな。
 明日、学校中の憶測を呼びそうだから」

「楽しそうじゃん」

「まあね。
 その時は、宮内とちょっとした痴話げんかでって言うかな」


軽い同意に麗華の怒り顔が不審そうな顔に変わる。

そんなこと言ったら、誤解を招く。

それでいいということは、好きな子はうちの学校にいないってことだ。

麗華の頭の中でぐるぐる回っていることを容易に推測できた怜士は、それ以上は黙っていた。

半分だけでも、感づかれていたことは十分アウトだ。

好きな人が自分に直結しないところが、らしい、けど。

直結したら最悪だ。
< 187 / 273 >

この作品をシェア

pagetop