Amarosso~深い愛~の作り方♪
「今日は私に貸してちょうだい」
刺すように見つめているアイーシャに、にっこりと笑いかけて怜士の腕をとった。
「じゃあな」
アイーシャにそっけなく言うと、並んで歩き出した。
腕を絡めたまま数メートル歩いて口を開く。
「で、今日は女装して、どうしたんですか?」
「おまえも失礼な奴だね。
私はそもそも女だ」
いままでの女度の高い口調から一転して、捌けた口調になった。
「ああ、そうでしたよね。
じゃあ、仮装ですか」
「減らないね」
「なにがです?」
わかっていて、あえて返す。
「口が」
一枝もあえて丁寧に返した。