Amarosso~深い愛~の作り方♪
「味に決まってる」
また見抜かれたようだ。
くすくすと笑いながら付け加えられる。
「だって未遂だ。
それにあの家庭教師は、どう見たってテクニシャンとは思えない」
怜士は自分の顔が固くなるのがわかった。
胃の辺りから、黒い空気が吹き上がるような感覚。
「なぜあなたは僕にそれをわざわざ告げに?」
ひゅっと片眉をあげた。
「だっておまえ、麗華のこと好きだろう?」
「だったら、どういう論理で告げ口なんです?」
「告げ口?
違う。
ただの腹いせ」
「は?」
「大事な姪がそこまでの目にあって、頭にきた」
「僕に八つ当たりですか?」
「いやいや、これを聞いたらお前も同じ怒りにかられるだろう?
分かちあわないと」