Amarosso~深い愛~の作り方♪

「味に決まってる」


また見抜かれたようだ。

くすくすと笑いながら付け加えられる。


「だって未遂だ。
 それにあの家庭教師は、どう見たってテクニシャンとは思えない」


怜士は自分の顔が固くなるのがわかった。

胃の辺りから、黒い空気が吹き上がるような感覚。


「なぜあなたは僕にそれをわざわざ告げに?」


ひゅっと片眉をあげた。


「だっておまえ、麗華のこと好きだろう?」

「だったら、どういう論理で告げ口なんです?」

「告げ口?
 違う。
 ただの腹いせ」

「は?」

「大事な姪がそこまでの目にあって、頭にきた」

「僕に八つ当たりですか?」

「いやいや、これを聞いたらお前も同じ怒りにかられるだろう?
 分かちあわないと」
< 244 / 273 >

この作品をシェア

pagetop