Amarosso~深い愛~の作り方♪
「それはあなたの経験による助言ですか」
意地悪く聞くと、ふうっと儚いような笑いを浮かべた。
「ああ。
私は好きな男とした」
それは茨の道を歩むことになったが。
せめてそこだけは、自分を甘やかしてもいいと思ったのだ。
ふと違和感を感じて、一枝はグラスの中身を凝視した。
その男は誰だっけ?
深淵が口を開く。
落ちていきそうだ。
もう一人の自分が思い出すなと囁いた。
一枝はグラスを揺らして氷の音を立て、あわてて全てを追い払った。
「今回、麗華に隙があったのは、あせりだろう。
段々、容姿がいいだけでは、ちやほやされない年齢になってきた。
それよりも色気がある方が有利になってきている。
あいつは短絡思考だから」
寝ればつくのかなと言っていたことを思い出した。