Amarosso~深い愛~の作り方♪
何も言えず、思わせぶりなことも出来ないとわかっているだろうに。
絶対、取り返しに来ると決めていても、あの世界に入ったらどうなるかわからない。
口約束などして、安易に縛ることはできない。
だからと言って、すんなりと忘れてもらっても困る。
難しさに思わず、怜士は長い溜息を吐いた。
一枝がくつくつと笑っている。
怜士は眉をしかめて席を立った。
「期待している」
嫌な言葉を背に投げかけられた。
「余計なお世話です」
振り返りもせずに投げ返して店を出た。
その手には乗らないと言っておきながら、家庭教師との出来事をほおっておけない。
あんな風に麗華から声をかけられたのだから、なおさら。
その傷をほったらかしなんて出来ない。