Amarosso~深い愛~の作り方♪
「お待たせ」
顔を上げると、両手に山盛りの皿を手に、満面の笑みを浮かべていた。
そういう笑顔は、男をくどく時に使うもんだろうと言いそうになるが、今は気分的に言えなかった。
「食べてていいよ」
おあずけをしたまま待たせるのは落ち着かない。
「ありがとう」
またにっこりと笑う。
本当に使い方を間違えている。
指摘をする積りはないが。
ニュースで一気に食欲が失せた怜士は、申し訳程度に皿に食べ物を載せる。
席に戻ろうとして、足を止めた。
ああ、そうだった。
「はい、どうぞ」
麗華が顔を上げると、怜士がフルート型のグラスを二つ持っていた。
「酒はダメだから、ジンジャーエール。
雰囲気だけ」
座ると、一つを持ち上げ、チンと音をたててあわせた。