Amarosso~深い愛~の作り方♪
「うっわ、むかつく」
腹立ちまぎれに、ローストビーフを口に押し込む。
怜士はくすくすと笑っていた。
散々馬鹿にされて、殴ったると思うのに、結局、この笑顔で許してしまうのだ。
「反則だ」
「なに?」
「なんでもございません」
「ご機嫌斜めだな」
そういいながら、席を立って言ってしまった。
新たに食べ物をとってくるらしい。
怜士が歩いていると、テーブルについている女性が何人も目で追っているのがわかる。
すれ違うと振り返るのもいる。
気持ちはわかる。
純粋な日本人といっているが、どこかで遺伝子が変異を起したに違いない。
腰の位置はあきらかに日本人離れしている。
柄のシャツに、プレーンなカーディガン姿の雰囲気は、海外のボーディングスクールに通っている良家の子
息のようだった。
麗華は気を取り直して、皿に向き直ると、フォークを動かす。
その目の前にぬっと腕が現れた。
捲り上げられた袖から覗く腕の筋肉に、力強さのようなのを感じて、どきまぎした。