Amarosso~深い愛~の作り方♪
怜士が一緒なのにも関わらず、一度、男から声をかけられた。
モデルの勧誘だ。
麗華はあっさりと、もうやっているので、とかわしていた。
電車に乗ると、なんとなく座席とドアの角に麗華を立たせて、かばうように目の前に立つ。
麗華は電車に乗るのが久しぶりらしく、珍しそうにきょろきょろしていた。
思わずため息が出る。
「なんか・・。
宮内の彼氏になる奴は大変かもな」
「なんで?」
「さっきから視線がうっとおしい。
勧誘もあるし。
絡まれないだけ、マシな気になってきた」
「それ、こっちも同じだから」
やや睨むようにまなじりを上げる。
「女子視線が痛いんだよね」
怜士はその瞳をしばらくみつめた。
体勢から上から覗き込むような感じになる。
「そうか?」
「そう」
体勢といい、距離感といい、相手が佐和だったらくちびるを合わせている状況だ。