Amarosso~深い愛~の作り方♪

誘惑にかられるが、それはまずい。

怜士は一歩あとずさった。

さりげなくだが、怜士が距離をとったことに麗華は気付いていた。

なんだか面白いなと思う。

いつもすごく女慣れしている。

でもさっき手首を掴むのに、ちょっと照れてた。

もしかしたら腰に手を回して歩く方が、気が楽なのかもしれない。

じいっと見つめられているのに、怜士は一瞥した。


「なに?
 もう腹減ったとか言うなよ」

「いくらなんでも言いませんよ」


にぱっと笑って、麗華は凝視するのをやめた。

電車に乗っている時は離されていた手首だが、降りるときにまた掴まれ、ゲーセンに着くまでつながれていた。


「本当に、今日、初めて?」


シューティングゲームをやっている横で怜士は腕を組んで見ていた。


「まあね。
 これ照準狂っているけど、その癖を飲み込めば、ちょろいもんよ。
 なんせ、本物で訓練してますから。
 今泉もやってみる?」


何気に、凄いことを聞いた気がする。

銃を差し出されて受け取った。
< 93 / 273 >

この作品をシェア

pagetop