こころ
出会い
そんなとき、廊下で声をかけられた。

「なぁ、オレとメールしぃひん?」

びっくりした。ただのチャラい男にしか見えなかった。
でもこれが後に大きな存在となる[たっちゃん]北村辰士キタムラタツジ。

辰士は二つ上の三年生。

高校に入ってから男子としゃべったことがなかった麻姫は少しうれしかった。
深い意味もなくOKした。

何回か遊びに誘われたけど男苦手だったし、その気はなく断り続けた。

しだいに辰士とはメールすることはなくなった。

そして、麻姫は学校がやっぱりしんどくなり、単位制の高校に編入することになった。
辰士とは学校も違うくなり、それっきりだった。

辰士の印象は[女ったらし]
すごく遊んでいるように見えた。
アドレスを聞いてきたときも周りに女がいた。
でも同じクラスのお兄ちゃんだと後に知った。

辰士とメールしなくなった麻姫は辰士と同じ学年の聖一郎とメールするようになった。

麻姫はファミレスとすし屋でバイトしていた。
ファミレスはなんか人とどうしても合わなくてすぐやめた。
すし屋はホールのリーダーのような存在の人に嫌われてみんなからシカトされ、2日でやめた。
聖ちゃんはそのすし屋で働いてた。
クールでいまいちよくわからない人だった。
でも、辰士と真逆の性格だと思った。

聖ちゃんとはメールと電話しかしてなかったけど、仲良くなった。
もう麻姫は付き合うものだと思っていた。
優しい言葉をかけられたり、向こうもその気があると思っていたし、もちろん麻姫は惚れ込んでいた。
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