JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「どこか、行きたいところ、あるか?」
前を向いたまま、いつもより少し低めの声。
「行きたいところ?」
「ああ、こんな機会もなかなかないし、行きたいところあるなら言えよ」
私は、倉坂さんと一緒ならそれでいい。
どこでもいい。
車の中でも、どこでも、満足なんだもん。
「あぁ、キスできる場所がいいんだな」
「違っ!!」
「したいんだろ?キス」
倉坂さんは、運転席のシートを倒し、寝転んだ。
「たまには、相沢からキスして欲しいなぁ。俺、今日頑張ってただろぉ?」
こんな甘えた感じの倉坂さん、珍しい。
また新しい一面を見せてくれた嬉しさと、やっぱりまたキスをしちゃうだけの関係に不安も生まれる。
目を閉じた倉坂さんに、そっと近付く。
「今日は、優勝を社長に譲ってえらかったね」
とおでこにキスをした。