JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】


「どこか、行きたいところ、あるか?」


前を向いたまま、いつもより少し低めの声。


「行きたいところ?」

「ああ、こんな機会もなかなかないし、行きたいところあるなら言えよ」

私は、倉坂さんと一緒ならそれでいい。

どこでもいい。

車の中でも、どこでも、満足なんだもん。


「あぁ、キスできる場所がいいんだな」

「違っ!!」

「したいんだろ?キス」


倉坂さんは、運転席のシートを倒し、寝転んだ。

「たまには、相沢からキスして欲しいなぁ。俺、今日頑張ってただろぉ?」

こんな甘えた感じの倉坂さん、珍しい。

また新しい一面を見せてくれた嬉しさと、やっぱりまたキスをしちゃうだけの関係に不安も生まれる。

目を閉じた倉坂さんに、そっと近付く。


「今日は、優勝を社長に譲ってえらかったね」

とおでこにキスをした。


< 101 / 331 >

この作品をシェア

pagetop