JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ずっと一緒に仕事してきたし、信頼していただけにショックでね」
かわいい後輩ができて浮かれていた自分を思い出す。
いつも私のことを褒めてくれるし、心地良い関係だった。
それは、ただ褒めてくれて気持ちが良かっただけだったのかな。
「いろんな男に手を出すだけならいいけど、菜々子を騙すとか意味わかんない。仕事やり辛くなるのわかんないのかな」
「騙すつもりがあったとは思えないんだよねぇ。何もかもがわかんない」
絡まった糸はどんどん絡まり、複雑になっていって、結局何もかも最初よりもぐちゃぐちゃになってて、解決なんてできない気がしてくる。
「とにかく、真佐はジョーさんと話し合って、自分の気持ちを伝えないといけないよ」
「それはそうだけど、あの女が本命だとしたら、本当におしまいだよ」
ジョーさんと裕美子の関係がどうであれ、真佐がジョーさんを好きだってことは、私にとってはなんだか嬉しかった。
やっと本気の恋を見つけたのかなって思った。
「まさか、私が追いかけることになるなんてねぇ。悔しいわ。追いかけられる予定だったのに」
真佐は斜め横を見つめながら、フーっと息を吐いた。
ストローの先をなめた真佐は、色っぽい表情を浮かべながら、目を閉じた。