JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
私は、すぐにエレベーターから降りて、トイレへ駆け込んだ。
朝のトイレは、女子社員の香水の匂いが漂っている。
「んぐ、んぐぐ」
涙が止まらなかった。
勘違いしたつもりはない。
期待なんてしていないつもりだった。
でも、やっぱり期待していたんだよね。
昨日のキスの中に“愛情”があるって。
今朝、会わなければ良かった。
幸せな気分のままでいたかった。
あのキスは何?
ゆめちゃんにもキスをするの?
パスタを食べた後に、路地裏でキスするの?
私は、あなたにとって何なの?
もうわからない。
もういやだ。