きっともう大丈夫

それは突然に・・・・

「カフェのオープンの目処がついたの」
それは閉店後、突然オーナーから告げられた。
「オーナー。もしかして圭吾が?」
元々このお店は将来的にはカフェと雑貨のお店にしようと思っていたのだが、まだカフェをオープンするには時間がかかるため
今まで店の半分のスペースを雑貨屋にしていたのだが、オーナーから
カフェのオープンの目処がついたので店の8割をカフェスペース、
2割を今まで通り雑貨スペースにするという話があった。
私がここで働く際にカフェの件はオーナーから聞いていたし、
カフェを圭吾に任せることも知っていたが、
もしそうなった場合はこの店を辞めると決めていた。
「沙希には辞めてほしくないのよ・・・でもそんな都合のいい話ないわよね。」
カフェになったら辞める。
それは決してカフェが嫌いだからではない。
それなりの理由があるからだ。
「オープンはいつですか?」
「・・・1カ月後には改装工事が始まるの」
「そうですか・・・じゃー残り1カ月ですがよろしくお願いします。」
「沙希・・・」
カフェを始めるということは圭吾がこの店に入るって事だ。
浮気が本気になって、その浮気相手と結婚した圭吾。
圭吾はカフェの厨房に入るため知り合いのカフェで修行していたのだ。
カフェに元彼とその妻と元カノが一緒に働くなんてシャレにならない。
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