BitteR SweeT StrawberrY
その瞬間、あたしの顔は、全身の血液が集まったかのように真っ赤になってしまった。

「ちょ!な!なに言っちゃってんの・・・っ!こ、こ、こんなとこで・・・っ!」

「こんなとこだから、言うんだろ?」

「も、もぉ!!」

そう言ったあたしの頭を引き寄せて、ケイは、こつんってあたしのおでこに、おでこをぶつける。
あたしは、思い切り照れながら、えへへって笑ってしまった。
その時、あたしの後ろから、なんだか気の抜けたような佐野さんの声が聞こえていた。

「あ~・・・・いちゃついてるとこ申し訳ないんだけど・・・あれだよ、優子、朝飯どうするよ?」

「っ!?」

あたしは、びくっとして、あわててケイから離れる。
ケイは、くすくすとおかしそうに笑っていた。

「さ、さ、佐野さん・・・っ、え!えと、お、おはようございますっ!
た、食べます!ご飯!」

顔を真っ赤にしたまま、あたふたしてそう答えたあたしを、佐野さんは、愉快そうな目つきで見て、軽く片手を上げた。
そして、その視線をケイに向けると、いつものようにクールに笑ってこう言う。

「優子可愛がれるぐらいだから、おまえ、もう大丈夫だべ?さっさと退院すんぞ」

「今すぐだって退院したいよ、まじで・・・
ガクから、医者にそう言っておいて」

ケイはそう答えて、またくすくす笑う。

「言っといてやんよ、もちろんな」

佐野さんはそう言って、ゆっくりとケイのベッドの脇に立つと、飄々とした表情で言葉を続ける。

「マナトには連絡しといたよ、『店はまかせろ!ぜってー売り上げは落とさねー!』って言ってたぞ。まぁ、取りあえずは、2、3日はゆっくりしとけ。
診察は9時からだって言うから、その時間には戻ってくるよ」

唇だけでニコって笑って、佐野さんはケイの髪をくしゃくしゃって撫でると、あたしに振り返った。

「ほら優子、飯いくぞ~」

そんな佐野さん向かって、ケイは、イタズラっぽく笑ってこう言った。

「ガク、優子に手出しするなよ。優子はアタシのだ」

「はぅ?!」

真っ赤になったままあたしは、ハッとケイを振り返る。

「あ~・・・わかってんよ。変なオーラに当てられないようにすんよ」

佐野さんは冗談ぽくそう答えて、あたしの隣でおかしそうに笑った。


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