犬との童話な毎日

黒曜から反対側に身を寄せたあたしの目の前で、ゆーらゆーらと尻尾がゆっくりとお湯を揺らす。
ゆーらゆーらゆーらゆーら。

これ……お湯、揺れてる、よね?

「……あんたって、ホントは色々な物に触れるの?」
『触ろうと思えばな』

……忘れたふりしてたけど。
首筋、舐められた事あったもんね。
……深く考えたら怖い気がするから、やめとこ。

「尻尾、温かい?」
『ああ、まあな』

幽霊って温度まで感じれるのかな。
いや、そもそも黒曜って何なんだろう。
犬の幽霊なのか、妖怪なのか。
まさか妖精って事は無いと思うんだけど……。

「……ホントあんたって、謎な存在だよね」

そうか?と黒曜が首を傾げる。
そしてそんな謎の化け犬と入浴してるあたしって……。

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