犬との童話な毎日

「わっ」

突然顔にお湯がかかって、目をつぶる。
黒曜の尻尾が湯船の中で、いきなり動いたからだ。

「ちょっと、顔に水かかったじゃん」
『いっその事 』

お風呂場に、黒曜の声が反響する。
いつに無い低い声に、顔を拭っていた手を止める。

『全てをお前に言うのもいいかもな』

な、何を?

茶化した様に声を出せれば良かったんだけど。

『過去、現在、裏も表も。
お前の知っている事、知らない事』

何だか黒曜の表情が何時もと違う気がして。
犬の表情なんて、はっきり言って全くもって分かんないんだけど。
なんでだろう。

『……知らなければ良かった、と言う事まで、全て話して聞かせようか?』
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