犬との童話な毎日

なんでだろう。
こ、こ、怖い気がする‼︎

「し、知らなければ良かった、って事も?」

ひー、そんなにじーっと見ないでよ。

『綺麗な事だけで、この世は出来てはいないからな』

あ、いつか聞いた台詞。

『教えてやろうか』

ピン、と立った耳に、黒く濡れた目が、あたしを観察しているのが分かる。
さっきまでだらけ切った様子で、風呂蓋の上から尻尾を湯船に垂らしてた黒曜が。
威嚇するかの様に、あたしを見据えていて。

「い、いえ結構です‼︎」
『そうか?そんなことを言わずに、何でも良いから知りたい事を聞いてみろ』

な、何なのこれ。
何でこんなにごり押しして来るの⁈
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