犬との童話な毎日

視線の元を辿れば、じー、とお風呂の蓋の上で、何やら言いたげに視線を送って来る黒曜に首を傾げる。

『……いや?』

ふい、と視線を逸らす黒曜に、もう一度首を傾げる。
まぁ、様子がおかしいと言うか、何を考えているのか良く分からないのはいつも通りなんだけどね。

シャワーのお湯が頭に掛かって、目を閉じる。
じんわりと伝わる熱が気持ち良い。

「ねぇ、いつ成仏する予定なの?」

返事は予想通り、無言で。
と言うより、冷たい目線のみで。
あたしはそのまま逃げる様にお風呂場を後にした。

体を拭きながら、初めて黒曜と一緒にお風呂に入ったなぁ、と呟く。
厳密に言えば、黒曜は尻尾のみだったけれど。

……尻尾も足浴にジャンル分けされるのかな?







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