犬との童話な毎日
『脚は脚だろ、尻尾は脚にはならん』
お風呂上がり。
ほかほかの体でベッドの上でドライヤーをかける。
胡座をかいた姿勢のあたしに、冷静な口調で当たり前の事を告げるのは黒曜だ。
いや、まぁ、そりゃそうっすよね。
…………。
空気を和まそうと思っただけじゃん。
ホント融通が効かない、って言うか冗談の通じないヤツだな。
っていうか、まだ怒ってるの、かな。
ちょーん、なんて可愛い表現では語弊のある、床に座る大きな茶色い犬。
そこに居るだけで、口も開いていないのに、何故か偉そうに見えるのが不思議。
髪の毛にしっとり感の残った位で、ドライヤーを止める。
「……ねぇ、尻尾、ドライヤーかけてあげようか?」
『……ご機嫌取りか?』