犬との童話な毎日

変な衝動に駆られてしまった……。
結構離れていたから気付かないかと思ったんだけどな。

黒曜は大きな体を床に寝そべらせ、目を閉じている。

「……あのさ、あんたってあたしみたいな小娘嫌いでしょ」

ん?と黒曜の片目が開いて、あたしを見る。

「だって沙月ちゃんの事は嫌いじゃなさそうだし……あ、あとおじさんとかは好きそうに見えるし」

胡座をかいたまま、腕組みと言う、色気の無い姿勢で黒曜を見返す。

さっきお風呂場で黒曜を呼んだのは、実はこれを聞こうと思い立ったから。

だって不思議なんだもん。
何であたしに取り憑いているのか。
あたしは可愛気が無いし、イラッとさせてばかりだろうし。
黒曜は、見える人はあたしだけじゃない、ってさっき言ってた。
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