犬との童話な毎日
そんな心の声を、目力で表現したつもりだったのだけれども。
「……えっと。黒曜センパイ……って言ったけど。……なんかあるの?センパイと」
ボク、何も聞いてないけど、とあたしの剣幕にドン引いた様子の悠が、一歩下がる。
「いや、だって……。え?黒曜って人間の方の?え?え?そ、それとも他の黒曜って人?」
偶然の一致なだけ?
「え……。ちょ、ちょっと待って六花。な、何?」
一方的に捲し立てられて、悠がもう一歩下がりながら、教室に目を泳がせる。
登校したてのクラスメイト達が、不思議そうにこちらを見ていて。
それを見てはっとした。
「う、ううん。何も。何もない!」