犬との童話な毎日

途端に何故かむっとする黒曜。

「い、いや。噛み付かれるとか思ってる訳じゃないんだけどさ」

この距離で不機嫌になられるのは困る、と慌てて付け足す。

「あまり観察されるのも気まずいし」

ベッドから音もなく軽く降りる黒曜に、言い訳がましく言い募るあたし。
別にご機嫌取りをしてるつもりはないんだけど。

顎で催促されてようやく目を閉じる。

きっと今、見られてる、んだよね。
何を確認したいんだ、あの化け犬は。
またあたしの知らない世界の話?
妖怪とか妖精とか。
オーラとか気だとか?

閉じた瞼の裏。
電気の灯りが気になって。
さっきは猛烈に眠たかったから気にならなかったけど、少し眩しい。
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