犬との童話な毎日
目を開けて茶色い毛玉を捜すけれど、やっぱりそこには犬の姿は無くて。
そこには黒い瞳に、すっと通った鼻筋、茶色い髪の毛を持った、凛とした男の子。
「喉が渇いているなら、水分は摂った方が良い」
あたしは決して異性慣れしてる訳じゃないし。
そして普通だったら絶対、こんなにカッコイイ男の子が至近距離にいたら緊張しちゃうと思うんだけど。
……ほら、まあなんせ中身が化け犬だから。
「んー……いい。このまま寝たい」
んしょ、とうつ伏せに姿勢を変えて欠伸をかます始末。
おい、と聞こえたけど、返事もしない。