犬との童話な毎日

「小娘」

おい、と肩を軽く揺さぶられる。

「ん…………」

それすら気持ち良くて、何も考えられなくなる。
ゆらゆらと、意識が揺れて揺れて。

「おい、小娘ちょっと待て。まだ寝るな」

混濁した頭の中。
あたしの意識を引っ張ろうとする黒曜の声に、一度だけ。
六花、って名前を呼ばれた気がした。

でも気のせいなのかも。

ねぇ黒曜、沙月ちゃんの赤ちゃん可愛かったねぇ。
今度は抱っこ、したいなぁ。

その言葉はちゃんと声として出せたのか、それとも夢の中で話したのか。
良く分らなかった。



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