犬との童話な毎日
ふと、黒曜の声に違和感を感じて、振り返る。
「あ……、いつの間に」
家を出た時には犬の姿だったのに。
あたしの斜め後ろで腕組みをして佇む姿は、いつの間にか男の子のモノだった。
白い七分袖のTシャツに、黒いスキニー。
白いスニーカーを履いていて、なんて言うか……。
シンプルな格好が、涼しげな顔立ちの黒曜に凄く似合ってる。
「……あんたのその服とかどうなってるの?いつ買ってるの?」
あ、でもあんたお金ないよね?
そもそも、どの瞬間に装着してるのか。
そんなあたしの素朴な疑問に、黒曜がふん、と鼻を鳴らす。
特に答えをくれる気はなさそうだ。
考えたら負けなのかしら。
こういう存在自体が規格外な奴相手だと。