犬との童話な毎日

むすっとした表情で。
機嫌が悪そうな声音で。
叱るような口調で言われて。

あれ?もしかして。

「……もしかして、心配してくれてるの?」

そんな気がしてしまった。

わざわざ男の子の姿になったのは、防犯対策なのかな、とか。
だって犬の姿だと他の人には見えないし。
女の一人歩きだからと、あたしが変質者とかに狙われないようになのかな、と。

ぼやー、と黒曜を見上げているとふい、と顔を逸らされる。
そしてそのままあたしを引きずるようにして歩き出した。

「歩け」
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