犬との童話な毎日
「ちょ、ちょっと……」
黒曜に引っ張られて、上手くバランスが取れずに、つんのめるようにして歩き出す。
いやいや、待ってよ。
そんなに早くぐいぐい歩かれたら無理!
そもそも身長差!!
大体あんた、無駄にスタイル良いんだから!
悔しいけど、あたしとは一歩の差があり過ぎるんだってば!
掴まれたままの二の腕を振り払うくらいの力で大きく揺する。、
「ねぇ、ちょっと早っ……早いってば」
あたしの訴えに、一拍おいて返ってきたのは溜め息。
一瞬止まった足は、今度は無理のない程度のスピードに。
横目でちらり、と投げ掛けられた視線に、思わず口を尖らせた。