犬との童話な毎日
「化け犬でしょ?……ああ、そっか。妖怪でも犬は犬か」
「…………」
黒曜が冷たい視線を向けている気がするけど、気付かないふり。
それよりも。
「飼い主を探してるってこと?」
そっと黒曜越しに、犬に話し掛けるけど、犬は地面に置いたぬいぐるみを鼻でつつくだけ。
もちろん返事はしない。
黒曜はふん、と鼻を鳴らすと体を翻した。
「ちょ、ちょっと!あんたがそこから居なくなると視界がクリアになってね、犬からあたしが丸見えになるんだってば!」
無理矢理、制服を引っ張って元の位置に戻すと、黒曜が面倒臭そうに溜め息を吐いた。